【メモ】その5(ループ処理)
前回のあらすじ、
wavデータが用意できたところで、それを一般的なPCMとして直にATSに読み込むと、恐らくはエラーがでると思います。
何故ならば、ATSには読み込めるwavデータに制限があるからです。
ATSにはRAMと呼ばれる、波形データを格納する容量スペースが設けられています。
このRAMサイズを超える波形データを搭載する楽曲を再生する事はできません。
しかし、ちゃんとRAMサイズを抑えつつ、実用レベルにPCMを仕上げる方法があるんです。
それこそがループ処理です。
という事で、今回はループ処理について書いていきます(コピペとか言わない←)。
ループ処理の目的は以下の2点です。
・RAMサイズの大幅な節約
・小容量で持続再生可能なPCMの作成(つまりループ化)
それを踏まえたうえで、読み進めていただけますと幸いです。
実際に録音した音の波形を見てみましょう。
Windows標準装備されているMIDI音源(いわゆるMSGS)を例にします。
MIDI65番のソプラノサックスC4を22kHzでサンプリングした場合・・・こんな波形してます。
ちなみに、約4.7秒の録音で48384ものサンプルが使われています。RAM換算で24キロバイトですね。
このままじゃとても使えねーよwww
波形のギザギザの仕方に一定の規則性がみられませんか?みられますよね?
楽器単体の波形の動きは一定の規則性をもっている傾向が強いです。
証明するのは面倒なのでそういうものだと思って下さい(何
特にMIDI音源に関しては、もともとループ処理された波形を読み出して音が出されている関係上、単発系PCMを除きほぼ100%がそうなっています。
その則性のある部分を見つけ出してそこだけ繰り返しループ再生させてしまえば、後の部分は不要になりカットしてしまえるのです。
つまり、RAMサイズを大幅な節約を実現しつつ、少ない容量で持続再生可能なPCMが出来上がるわけです。。
これがループ処理の考え方です。
実際にループする部分をピックアップしてみるとこうです。
この拡大図でいえば、赤い線の間の部分だけを繰り返し再生すれば、後の部分はカットしてしまえるわけです。
ループ間のサンプル数は4416です。
省エネ、エコロジー、キャーカッコイー。
TWEをお使いならば、該当する波形の部分をマウスでドラッグして、「Selection to Loop」でループ設定が出来ます。
良く使う機能なのでショートカットキーを「S」キーに割り当てて使用しています。
TWEの操作まわりについては次項にて解説をする予定なので、今はここまでにしておきます。
ちなみに、とにかく容量を小さくしたいなら、更にループ幅を短く取ることも可能です。
RAMサイズと相談しながらやりくりしていくといいでしょう。
比較的単純な波形ならば、極限まで容量を抑えつつそこそこの質を保持したようなPCMを作る事も不可能ではありません。
慣れてきたら、是非チャレンジしてみるといいでしょう。
ループ間のサンプル数85。こんだけ短くとってもソプラノサックスの場合はまだ違和感少ないかも。
笛系の音はRAMを抑えて作りやすい傾向にあります。
と、概要はこんな感じになります。
実際どうやってやるかについては、次項でTWEというループ処理におあつらえ向きなソフトを使用して説明していきたいと思います。
TEWの入手については前項で少し触れています。
ループクロスフェードなど、ループ処理で知っておくと良い処理方法も紹介させていただきますので、少々お待ちいただけますと幸いです。
(ダレも待ってないかもですが)。
余談ですが、スパーファミコンにも、ループ処理が施されたPCM音源が採用されていました。
すごいぞスーパファミコン(・∀・)
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